奥武島の久米島ウミガメ館

久米島ウミガメ館は、沖縄県の久米島にあるウミガメ展示施設。規模は大きいとは言えませんが、きれいな海のすぐそばで、ゆっくりウミガメを眺めることができる場所。久米島訪問の際にはぜひ立ち寄りたいスポットですのでご紹介します。

参考URL:久米島ウミガメ館スタッフ日記

久米島ウミガメ館の建物

久米島ウミガメ館への行き方、アクセス

久米島ウミガメ館は、久米島と橋でつながっている、奥武島という小さな島にあります。久米島島内での移動は、島の広さやレンタカーの充実度を考えるとレンタカーが便利ですが、ウミガメ館へは路線バスで行くこともできます。最寄りのバス停は、隣接する温浴施設「バーデハウス久米島」前のバス停「バーデハウス前」で、久米島空港からだと約30分ほど。バスは途中で町の中心部を通りますので、中心部からだともっとはやく着きます。

久米島と橋でつながる小さな島・奥武島
奥武島と久米島を結ぶ橋(奥武島より)

久米島ウミガメ館の展示

久米島ウミガメ館の館内で展示されているウミガメは、アカウミガメ、アオウミガメ、タイマイの3種類。入り口入って右手の方に、それぞれの小型の個体の水槽があります。

小型個体コーナーのアカウミガメ
小型個体コーナーのアオウミガメ
小型個体コーナーのタイマイ

通路を挟んで反対側には、ウミガメに関する解説コーナーがあり、パネル展示がされています。解説コーナーは、学術的なものから、ウミガメに関する沖縄の伝説、ウミガメが直面する問題など、様々な角度からの内容。

解説コーナーにあった情報のなかで特に印象深かったデータが、ウミガメの生存率。孵化したアカウミガメの子ガメの生存率は、まだよくわかっていないものの5000分の1くらいと推測されているそうです。アカウミガメの一回の産卵数は120個くらいとのことですので、確率的にみると一つの巣穴から海に旅立っていく子亀は一匹も生き残らない場合の方が多いことになります。これは、すこしショックな数字でした。シシャモとか、カニとか、そういった生物の生存率が低いのは感覚的にわかるのですが、砂浜に這い出て海に向かって泳いでいくあのウミガメの赤ちゃんの生存率がこれほどまでに低いとは・・・。展示では、生存にあたってどんな場面でどんな困難が待ち受けているのかの解説もされています。

解説コーナーを抜けて建物の奥に進むと、メインの大水槽がありました。水面が天井より上にある、深さがある水槽に、大型個体のウミガメが何匹も泳いでいます。二階に上がると、上から泳ぎ回るウミガメをみることが出来ます。

2階から見る、泳ぎ回るウミガメ

二階の水槽の奥には、上陸できるスペースがあって、砂場となっています。産卵スペースでしょうか。

ウミガメ大水槽の上陸できるスペース

久米島ウミガメ館には、島内でケガをした野生生物が見つかると、地元の方から連絡が入ったりするようで、館内には事故にあった動物たちについてのレポートなどもありました。資料は目立たない形で置かれているのですが、情報量が多く、結構読み応えがあります。

久米島ウミガメ館は、集落とは離れた場所にあるこじんまりとした施設。ざっと見るなら15分もあれば回れてしまう規模ですが、ウミガメ解説コーナーや館内のレポートなどは興味深い内容です。すぐそばにある観光名所・畳石やバーデハウス久米島とあわせて、ゆっくり楽しみたい施設だと思いました。

畳石とバーデハウス久米島