アクア・トト岐阜は、海なし県である岐阜県内陸部にある淡水魚専門の水族館。行ってみると、爬虫類両生類関係の展示がかなり充実していましたのでご紹介します。
目次
アクア・トトぎふへの行き方、アクセス
アクアとと岐阜の立地は、水族館には珍しく内陸の平野部。高速(東海北陸自動車道)の川島パーキングエリアに隣接しています。公共交通機関だと、岐阜駅からバスで30分~小1時間くらい。土日はバスが水族館の前まで行ってくれます。
参考URL:アクア・トトぎふ
バスを降りて入り口を入ると、立派な4階建ての建物がありました。さっそく中に入って行きます。
入り口のアルダブラゾウガメ
中に入って最初に待っていたのは、アルダブラゾウガメ。中庭的なスペースに飼育されていて、距離感が近いです。この日は小さなゾウガメが水浴びのため水場に入るところが見られました。
飼育舎には、保温設備が完備されています。大型リクガメの野外飼育をされる方には参考になるかもしれません。
長良川流域を再現したエリアで、在来種を展示
ゾウガメ展示の後は、エレベーターで4階へ。この水族館は、まず4階に上がって、そこから展示を見ながら降りて行く順路となっています。展示は大別して、長良川周辺の種類の展示と、アフリカ・アマゾンなど世界の淡水魚の展示にわかれます。
最初の4階は、岐阜の誇る大河川・長良川の源流域を建物内に再現、その中を歩く仕掛けです。
4階最初の爬虫類両生類は、お馴染みアズマヒキガエルと、関東都市部では普段あまり見かける機会のないナガレヒキガエルの展示。水槽内にはオタマジャクシもいます。
4階の小型カエル・サンショウウオのコーナー
同じ階には、小型のカエルやサンショウウオ類の展示コーナーも。
展示されていたカエルは、ナガレタゴガエル、カジカガエル。サンショウウオは、クロサンショウウオ、カスミサンショウウオ、コガタブチサンショウウオ、ヒダサンショウウオ。ヒダサンショウウオはバックヤードの繁殖水槽で卵を産んだとのことで、この日は卵のうも展示されていました。
スロープにある壁面をうまく使った展示スペース
4階の展示はここまでですが、4階から3階に降りるスロープが工夫されていて、途中に壁面を上手く使った展示がありました。ハコネサンショウウオとタゴガエルが上手くディスプレイされています。
3階に並ぶ国内爬虫類両生類の展示
3階からは、概ね水槽があって見て回る通常の水族館のような感じ。3階にあった展示を順不同・水槽単位で紹介すると・・・
- モリアオガエルとアカハライモリ
- ニホンイシガメ
- オオサンショウウオ
- アオダイショウ
- シュレーゲルアオガエル、二ホンアマガエル、ヤマアカガエル、ニホンアカガエル
- ナゴヤダルマガエル、トノサマガエル、ツチガエル、アカハライモリ
- ニホンカナヘビ、ヒガシニホントカゲ(これだけ見えませんでした)、ヌマガエル
- クサガメ
となっています。
印象に残ったのは、①モリアオガエルとアカハライモリの水槽、②田んぼの環境を再現したトノサマガエルなどの水槽、③クサガメが悠々と泳ぐ広い水槽です。
①モリアオガエルとアカハライモリは、モリアオガエルの泡巣から落ちるオタマジャクシを下で待ち構えていて捕食するアカハライモリ、という関係に着目してこの組み合わせにしたようです。面白いですね。
②田んぼを再現したトノサマガエルなどの水槽は、こちら。
トノサマガエルといえば、やはり田んぼのイメージですよね。その田んぼの環境を再現した水槽で、トノサマガエルを展示しています。こういうところを歩いていると、ピョンって飛び出してくるんだよな、と思わせるところにカエルが潜んでいます。
同じ水槽にナゴヤダルマガエルという似たカエルもいましたが、キャプションの説明が間近にあっても見分けられないほど似た感じでした。
③クサガメの展示。クサガメはお馴染みの種類ですが、広い水中を泳ぐ姿を見る機会は意外とないのでは、と感じました。池で日光浴をしているところとか、透明度がそれほど高くない池で浮いている場面はよく見かけるのですが。
この水槽は、川べりと水中を広い空間を使って再現しています。クサガメは2匹いて、川のなかで一方が他方を追いかけまわしたりといった姿をみることができました。泳ぐスピード、結構速いんですね。
クサガメのキャプションには、国外外来種と記載されていました。クサガメは最近、外来種扱いになってきていますね。
外国産種の展示エリア
必見、身体能力が異様に高いカメ「オオアタマガメ」
続いて、2階の外国産種の展示エリアに入ります。びっくりしたのは、オオアタマガメという種類。このカメ、動きがカメっぽくないです。
キャプションの説明だと、「非常に大きな頭と筋肉の発達したあしを持っており、水中だけでなく陸上でも活動的で、木や岩に登ったり、筋肉質で力強い尾を使って、枝からぶら下がることもできます。」とのこと。「学研の図鑑 爬虫類両生類」にも「木や岩を簡単に登り、昆虫や魚などの小動物を食べます。」とかかれています。
実際現物を見てみると、とにかく動きが俊敏。撮影しようとカメラを水槽に近づけたのですが、カメラに反応して飛んできました。印象としてはカメではなく、別の生き物。サイズが大きかったら、完全に危険動物です。身体能力がすごく高い。これは一見の価値があります。
外国種エリアには、アフリカにいるロココヒキガエルという種類も展示されていました。このカエルは乾燥に耐えられる固い皮膚を持つそうです。
アマゾンツリーボアの水槽は、霧がかかっています。現地の環境を再現しているのでしょうか。水槽内に霧をつくりだすような展示は、珍しいですね。
ほか、外国産エリアにはヤドクガエル(アイゾメヤドクガエル、キオビヤドクガエル、マダラヤドクガエル)やトッケイヤモリ、チョウセンスズガエル、マタマタなどの展示も。魚と同じ水槽で悠々と泳いでいるヌマヨコクビガメもいました。
擬態をテーマにした企画展も面白い
さて、ここまでが常設展示。この日は企画展みたいなものをやっていて、そちらもなかなか面白かったです。企画展では、周りの環境に上手く溶け込んで、外敵に見つけられないように生きる爬虫類両生類の姿を、見つけにくいように上手く作られたレイアウトの中でみせていました。
ミツヅノコノハガエル。枝の先端のコオロギの左下にいます。
コケガエルの場所は、次の写真で。
マダカスカルテングキノボリヘビ。
水飲みにいます。写真はいる場面をアップで撮ったのでわかりやすいですが、水槽全体から探すのは結構大変でした。
アクア・トトぎふは、爬虫類両生類関係を全面に押し出した水族館ではありませんが、全体の3分の1くらいは爬虫類両生類の展示でした。展示場所も爬虫類両生類関係で一箇所に固めず、全体のなかに上手く分散させた感じ。屋外エリアにも遊べる空間があり、あわせてじっくり周れば1日楽しく過ごせそうな場所でした。