投稿者「神栖紗英」のアーカイブ

世界の爬虫類両生類を扱う英国発飼育書「Q&Aマニュアル爬虫両生類飼育入門」

はじめに特徴を箇条書きにすると・・・

・世界の爬虫類両生類で、ペットとして流通しているものをおもなターゲットとしている。

・野生生息地と異なる条件下での飼育環境の作り方について、定量的情報やイラストを交えて重点的に解説している。

となります。

「Q&Aマニュアル爬虫両生類飼育入門」は、2人合わせて70年以上の飼育経験を有するという、ロバート・デイヴィスさん・ヴァレリー・デイヴィスさん著、テレビ出演で有名な千石正一先生監訳の本です。原書は、イギリス(イングランド)のアンドロメダ・オックスフォード・リミテッドの制作企画、北米版をテトラ・プレス社が出版、日本語版発行は、フィッシュマガジンが有名だった緑書房です。

本の構成ですが、爬虫類・両生類それぞれについて、

  • 住み処:ビバリウム
  • 保温、照明、湿度
  • ビバリウムをつくる
  • 餌と給餌
  • 繁殖
  • 病気と治療方法

の項があり、解説とQ&Aがあります。

飼育環境の記述には特に力を入れていて、イラストや写真も豊富。保温器具、照明器具、床材など個別論点についても、例えば保温器具は10種類に言及し、床材は11種類について長所短所を論じるなど、かなり突っ込んだ記載がありました。

上記に加え、個別種ごとのカタログページがあり、種に応じた飼育条件がかなり具体的に記されています。例えば、ヒョウモントカゲモドキの場合、

「気温 低温部では25.5℃、ホットスポットでは30℃、夜間は21℃とする。光周期:14時間

ウインタークーリング 日中は24℃、夜間は18℃で8週間。光周期:8~9時間

孵化 26~33℃で55~66日。卵は湿ったバーミキュライトの上に置く。」

といった調子です。

この本は、身近な野生種というより、ペットとして流通する種の飼育向けに書かれています。さまざまな気象条件のもとでくらす世界中の種が対象であり、かつ原書は大部分の記載対象種の原産地ではないイギリスの発行なので、生息環境の再現は器具をつかってしっかりやるということなのでしょう。

カバー範囲は、ウオータードラゴン、カメレオン、ニシキヘビ、ヤドクガエルなど日本ではちょっと珍しい種類から、イグアナ、リクガメ、イモリなどおなじみの種類まで幅広い印象。ペットショップで外国産種を購入し、飼育環境を整えてしっかり飼育したいという方におすすめです。


Q&Aマニュアル 爬虫両生類飼育入門

日本産種を網羅、野外採集まで徹底解説「日本の爬虫類・両生類飼育図鑑」

はじめに特徴を箇条書きにすると・・・

・対象は日本で見かける爬虫類両生類に限るが、日本で見かけるものについては幅広い種類を網羅。個別種ごとに写真付きのページがあり、品種同定のための図鑑としても使用可能。

・野生種の採集飼育を前提としているので、飼育だけでなく採集方法と採集後の運搬方法について記載がある。

となります。

現在絶版で、中古市場で高値で取引されているこの本。私は幸いにも、新刊を定価で買うことができました。高値で流通するのもうなずける、日本にいる爬虫類両生類を採集・飼育する上で、とても参考になる充実した内容の本ですのでご紹介します。

本の基本的構成ですが、①ヘビ、②ヤモリ含むトカゲ、③カメ、④カエル、⑤イモリとサンショウウオの各グループごとに、それぞれ採集と運搬の方法、飼育ケージの大きさや構造・設備、エサ、温度や湿度など日常・季節の管理、繁殖といった項目について、詳細な解説があります。各種ケガや病気への対処方法なども、くわしく記載されています。

その上で、相当な数の個別種について、個別解説のページが用意されています。「ヨナグニシュウダ」「オカダトカゲ」「ヤエヤマイシガメ」「リュウキュウカジカガエル」「ハコネサンショウウオ」といった細かい種ごとに解説がある本は、なかなかありません。個別解説ページには、写真や図鑑的な基礎情報に加え、飼育者にとって知りたいケージの大きさ(90センチ水槽サイズの横型といったように具体的)、餌の種類、飼育に向くか(法的な規制、飼育の難易度、種の貴重さなど、さまざまな観点から)等々の情報がつまっています。

この本は、ライターが初心者向けにわかりやすくまとめた本ではなく、マニアや動物園水族館飼育係の方が参考書として読み込むような本だとおもいます。著者の大谷勉さんは、爬虫類界の大家・高田栄一先生の流れを汲む方とのこと。特に、他資料ではなかなか記載がない採集と運搬の項などは、どこで見つけるか、どうやって捕まえるか、どのように収納して運ぶかといった、実際に場数を踏んだ方でないと書けないリアルな記載で満ち溢れています。現実に野外採集に出ることを前提として、そもそも採集して良い種類なのか、その規制についての記載もあります。野外のフィールドで爬虫類両生類を捕まえ、長く飼育してみたい、繁殖もさせてみたいという方には、必携の教科書だと思います。


日本の爬虫類・両生類飼育図鑑

水草とおたまじゃくし【水質悪化対策にも】

水草とおたまじゃくし(日記)

オタマジャクシの水槽に、水草を入れてみました。

水草とおたまじゃくし1

入れたのは、マツモという水草です。

熱帯魚ショップや金魚屋さんで売っている金魚藻と言われている水草で、よく見かけるのは3種類です。よく見かける順に挙げると、カボンバ、アナカリス、マツモとなります。

アナカリスは、外来種であり、野外に捨てられると大繁殖したりするので、最近あまり販売されなくなったように思います。また、3つの中で1番葉っぱが硬いようで、水草を食べる金魚も3種類の中で1番最後まで突きませんし、小さな金魚は食べません。今回は、水草におたまじゃくしの餌としての役割も期待しますので、アナカリスは選びませんでした。

ウーパールーパーの水槽のアナカリス
ウーパールーパーの水槽のアナカリス
イモリの水槽のアナカリス
イモリの水槽のアナカリス

残りのカボンバ、マツモのどちらにするかですが、以下の理由から、マツモを選びました。

・ガボンバは底に植えて育てる水草だが、マツモは水に入れておくだけでよい。

・マツモは、水草のなかでも成長速度が特に早くあっという間に増える。買い足す必要がないし、成長のため水中の養分を吸収するなど、多少の水質浄化作用が期待できる。

カボンバは外来種ですが、マツモは日本に自生しているようです。そのため、氷が張る冬でも、屋外で冬越し可能です。冬場は色が変色して茶色と濃い紫の間のような色になりますが、暖かくなるとすぐ成長して、グリーンの綺麗な姿を見せてくれます。

水草とおたまじゃくし2
1パック450円でした

水草を入れると、見た目もきれいになりますね。

(追記)このとき買ってきたマツモですが、どんどん殖えてオタマジャクシが上陸するころには何倍にもなっていました。

プランターのマツモ(4月7日)
プランターのマツモ(4月7日)
プランターのマツモ(5月7日)
プランターのマツモ(5月7日)
ポリプロピレンケースのマツモ(5月8日)。記事冒頭の写真と比して何倍にもなっている。

オタマジャクシの水草は、マツモがおすすめ

水草は、オタマジャクシがとまって休める場所を提供してくれます。特に、足が生えて尾が短くなりだした頃からは、水面のマツモを足場にして休むことが多くなりました。

マツモの上で休むおたまじゃくし

また、水草は、エサの食べ残しやフンなどの有機物から発生するアンモニア等を栄養分として吸収します。これだけ増えたということは、それなりにエサの食べ残しやフンなどの養分を吸収してくれたのだと思います。水質浄化には欠かせない存在ですね。

①浮かべて育てる水草で、オタマジャクシが休む場所になる。②成長が早く、水質浄化に役立つ。③売っている場所が比較的多く、安い。オタマジャクシの水草として、3拍子揃ったマツモはとてもおすすめです。

動き回りはじめたオタマジャクシ【産卵から24日目】

本日3月28日朝のおたまじゃくしですが、2日前に比べてまたまた変化がありました。

動き回りはじめたオタマジャクシ3月28日1
動き回りはじめたオタマジャクシ3月28日2

2日前は、漂っているだけの状態から泳げるようになり、卵の紐の残骸に群がっている状態でした。

今日は、卵の紐の残骸から離れて、全体的に散らばっています。泳げるようになったという段階から、動き回りはじめたという段階へ一歩進みました。

動き回りはじめたオタマジャクシ3月28日3
動き回りはじめたオタマジャクシ3月28日4

卵の紐の残骸は、随分小さくなりました。ヒキガエルのオタマジャクシの最初の餌は、この卵の紐の残骸といいます。食べ尽くしつつある、というところでしょうか。

ちなみに2日前の状態はこちらです。

動き回りはじめたオタマジャクシ3月26日

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泳げるようになったおたまじゃくし【産卵から22日目】

本日26日朝のおたまじゃくしですが、少し変化がありました。

泳げるようになったおたまじゃくし3月26日1
泳げるようになったおたまじゃくし3月26日2
泳げるようになったおたまじゃくし3月26日3
泳げるようになったおたまじゃくし3月26日4
泳げるようになったおたまじゃくし3月26日5
泳げるようになったおたまじゃくし3月26日6

2日前までは、容器を移動する時に水が動いても流されるままでしたが、今日の朝は尾を動かして泳ぎました。

容器内での集まり方も、前回まではやや散らばり気味でしたが、今日は卵の紐の残骸に群がっています。写真でも、オタマジャクシが卵の紐の残骸に集まって、こんもりと盛り上がっているのがわかると思います。泳いで自分の行きたいところに行けるようになったということだと思います。

ちなみに、2日前の24日朝の様子はこちらです。

泳げるようになったおたまじゃくし3月24日1
泳げるようになったおたまじゃくし3月24日2
泳げるようになったおたまじゃくし3月24日3
泳げるようになったおたまじゃくし3月24日4

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