日本には、特定の地域で継続的に白い蛇(青大将)が生まれ、住み続けている場所があります。その場所とは、広島県の岩国市。
この地域に住む白色のアオダイショウは、「岩国のシロヘビ」として天然記念物に指定されています。
天然記念物の白ヘビを、実際に岩国の野生環境でみるのは難しいかもしれません。しかし、幸いにも岩国には、シロヘビを飼育・展示をしている施設があります。
参考リンク:一般財団法人岩国白蛇保存会
白ヘビの展示施設は2か所。一か所は、錦帯橋の近く、鵜飼いなどの施設もある観光エリアにあり、展示コーナーといったところです。
もう一か所は、屋外飼育場を備えた本拠地ともいうべき施設「白蛇資料館」で、観光地や駅からはすこし離れたところにあります。
この2カ所は混同しやすいうえ、離れたところにあります。以下、両方についてご紹介します。
アクセス至便、錦帯橋近くの白蛇観覧施設
まずは、錦帯橋にある白蛇観覧施設。こちらは、錦帯橋や鵜飼を見てまわった流れで気軽に立ち寄れる立地。
屋内に入ると、白い砂を敷きつめたガラス張りの飼育スペースに、白いアオダイショウが数匹飼育されていました。ケージのなかには、登れるような太い木の枝、体が入る大きさの水入れと、植物の鉢植えが一つ設置されてます。
小さな施設ではありますが、丸太の切り株の上やプランターの草の上で休むヘビや飼育スペース内をするすると動きまわるヘビがいて、見ていて飽きませんでした。
野外飼育場や白蛇神社も併設、白蛇資料館
続いて、屋外飼育場や神社が併設された本丸の「白蛇資料館」に行ってみます。最寄り駅はJRの岩国駅です。
白蛇資料館へのアクセス
中心市街地側の西口を出て、ロータリーを左折、大通り沿いに歩きます。大きな交差点に出たら、右折。岩国市役所の前を通ってしばらく行くと、目的地に近づきます。
駅からの距離は徒歩20分ほど。普通の街中の、大通りから少し入った場所にあります。
門を入って、建物がある方に進むと、きれいなガラス張りの建物が見えてきました。
大きなガラス張りの飼育スペースには、さまざまなサイズの白蛇が何匹も展示されています。
シロヘビの形は、普通のアオダイショウそのもの。ただ、このような白い個体を自然環境で見れば、特別な存在に見えると思います。そもそも白は自然にはあまり存在しない色ですし・・・。飼育施設でガラス越しに見ても、充分ありがたみを感じました。
外には屋外飼育場がありましたので、中を覗いてみました。
岩国のシロヘビは、5か所の飼育施設で育てていて、1000匹規模まで増やしたそうです。この屋外飼育場の造りなど、ヘビ飼育者にとって参考になる点がたくさんありそうです。
資料館内には、白ヘビ関連の情報や新聞記事などをまとめたコーナーが。岩国周辺の白ヘビ目撃地点をマッピングした地図もありました。
屋上には、白蛇神社。
白蛇資料館で飼育されていたシロヘビは、いずれも元気で健康的でした。屋外飼育場の造りをみても、素晴らしい飼育環境で育てているのがわかります。自然においてはなかなか目にすることができない白い青大将が、のびのびと暮らす施設。錦帯橋など岩国周辺に行かれた際には、時間を作ってでも立ち寄る価値のあるスポットだと思います。