繁華街すぐそばの爬虫類生態館・天王寺動物園アイファー

関西を代表する動物園として、大阪の繁華街のど真ん中に位置する天王寺動物園。園内に本格派の爬虫類両生類展示施設がありますのでご紹介します。

天王寺動物園アイファー外観

天王寺動物園アイファーへの行き方、アクセス

天王寺動物園は、地下鉄御堂筋線で新大阪から25分、梅田(大阪)から15分ほどで着く、大阪の大繁華街エリアに位置する動物園。街中にある広い施設なので、入り口は2つあります。

天王寺方面の入り口は、あべのハルカスがそびえ立つ大ターミナル、天王寺駅が最寄り。駅前の大通りを渡って広い広場を抜けたところに門(てんしばゲート)があります。

園内から見た天王寺方面入口(てんしばゲート)

通天閣方面の入り口は、新世界と呼ばれる大阪らしい大阪のエリアに面していて、最寄り駅は動物園前。すぐ近くには通天閣やジャンジャン横丁といった場所があります。 通天閣方面入り口には、動物園の上部を通り抜けて天王寺側にある美術館エリアに行けるよう、大きな橋が架かっていて、美術館エリアには、旧住友家本邸の庭園などもある模様。 このあたり、全く異なる雰囲気の場所がすぐ近くに隣あっていて、面白い感じです。徒歩圏内にあべのハルカス展望台や通天閣展望台があるので、街並みを上から眺めて見ると面白いかもしれません。

爬虫類両生類を展示する施設アイファーは、通天閣入り口からだと入ってすぐ左、天王寺入り口からだと園内を通天閣方面にしばらく歩いたところにあります。 建物は草木に覆われていて、注意していないとわかりにくい感じの外観。看板に沿って回り込むと、入り口が見えてきました。

一階は温帯湿地エリア、乾燥地エリアの生体を展示

アイファーでは、生息地の環境を大まかに分け、概ねその環境ごとに生体を展示しています。 エントランスを通り抜けると、まずは温帯湿地エリアへ。温度も湿度も高い、ムッとした空間が広がっていて、天井からは外光が入ってくる造りとなっています。

温帯湿地エリアのミシシッピワニ展示

メインとなる大きな展示スペースには、ミシシッピワニが2匹。一匹は水中に沈んだり水面を漂ったりしていて、一匹は陸でじっとしていました。同じスペースには、アメリカに生息するミシシッピアカミミガメ、キバラガメがいます。

天王寺動物園アイファーのミシシッピワニ

すぐ脇には、アメリカハコガメのケージが。湿っぽい有機質の床材に、植物を配したレイアウトです。エサは野菜のほか、コオロギが入れられていました。

アメリカハコガメの飼育スペース

この温湿度が高い半温室的スペースを抜けると、通常の屋内スペースに入ります。屋内入ったところでは、乾燥地にすむ種類を展示。 最初に展示されていたのはリクガメ類で、アルダブラゾウガメとホウシャガメが同居するスペースに、集まってエサを食べるカメたちの姿が見られました。エサは、白菜など葉物や人参、サツマイモ、リンゴやスプラウトなど。アルダブラゾウガメは、リンゴを選んで食べていました。

エサを食べるホウシャガメとアルダブラゾウガメ

外光が入らない完全な屋内では、インドホシガメを飼育。広いスペースが確保されていて、多数のインドホシガメがいました。 乾燥エリアでは、この他にヒョウモントカゲモドキ(エントランスには近種のニシアフリカトカゲモドキが同じく乾燥した感じのケージで飼育されていた)、ボールニシキヘビ、フトアゴヒゲトカゲ、ベンガルオオトカゲを飼育。ベンガルオオトカゲは脱皮中で、ホットスポットの下で体を温めていました。

天王寺動物園アイファーのベンガルオオトカゲ

入口がある一階には、このほかにイエアメガエルとヨウスコウワニが展示されていました。ヨウスコウワニは、屋外環境で冬眠させている個体と、外光が入る加温環境で展示されてる個体が隣り合わせのスペースに配置されていました。

地下一階は水辺や熱帯雨林の生体を展示

一階から降りて地下一階に行くと、水辺にすむものが多く展示されるエリアになります。

「穴に潜ることが多く姿を見れることが少ない」とキャプションに書かれていたナイルオオトカゲ。この日はそうでもなく、枝の上のホットスポットで体を温めた後、ケージ内をうろうろ。水に入ったり、エサのコオロギに走り寄ったりする場面が見られました。

コオロギを食べたナイルオオトカゲ

ヘルメットガエルは、チリ中部・南部の湖や河の底に生息するカエル。水面に鼻を出す形で浮かんだり、底に沈んだりしていました。

水中に沈むヘルメットガエル

チュウゴクワニトカゲは、親サイズの個体1匹が飼育されているケージと、子どもサイズの個体が複数飼育されているケージがありました。子供サイズのワニトカゲには、ガラス面を登ろうとする個体も。ケージの横にはデジタル温度計が設置されていて、温度は25.7度、湿度70%となっていました。

同じく親サイズと子供サイズがいたのが、ミズオオトカゲ。子供サイズのミズオオトカゲは身を守るため木の上にいることが多いとのこと。

木の上にいるミズオオトカゲの子供

水棲カメの水槽では、ハミルトンガメとインドセタカガメを飼育。エサはオキアミのような小エビが投入されていて、食らいつくように食べていました。

地下一階にはこのほかに、インドニシキヘビ、クランウェルツノガエル、スペインイモリ(イベリアトゲイモリ)、アルビノのアフリカツメガエル、ボアコンストリクター、アオホソオオトカゲ、ワニガメがいました。ワニガメは、個体が大きく、飼育されている水槽も大きなものでした。

地下一階の建物を出ると、地下と1階をつなぐ温室風エリアに出ます。ここには 日本産の爬虫類両生類が、水辺を再現したスペースで魚や鳥と一緒に展示されていました。設備は温室風ですが、気温は外気温と同じ。この日は冬だったので活発ではなかったですが、ミナミイシガメ、クサガメ、ニホンイシガメ、二ホンイモリ、二ホンヒキガエル、オオサンショウウオが展示されていました。クサガメのエサは、ハミルトンガメと同じくオキアミ風小エビでした。

日本産種を展示するスペース

天王寺動物園アイファーの感想まとめ

天王寺動物園アイファーは、繁華街ど真ん中に隠れるようにある爬虫類両生類展示施設。あべのハルカスや新世界すぐそばの草木で覆われた建物の中に、ワニからオオサンショウウオまでが揃います。関西の爬虫類好きはもちろん、一般の人も大阪観光の折には是非立ち寄りたいスポットです。