ヘビだけじゃない、愛媛県立とべ動物園スネークハウス

四国・愛媛県の松山市近くにある砥部動物園に、「スネークハウス」と名付けられた施設があります。名前からヘビがいそうなのはわかりますが、実際はどんな場所なのでしょうか。

愛媛県立とべ動物園の入り口

とべ動物園スネークハウスへのアクセス、行き方

とべ動物園は、松山市中心街からバスで30分ほどの距離に立地しています。バス乗り場は松山市駅や大街道周辺にあり、本数は30分間隔と割と頻繁に出ています。

動物園最寄りのバス停は、愛媛県総合運動公園の中にあり、バス停から動物園入り口までは歩いて3分ほど。動物園入り口を入ると、すぐ右手に見えるのがスネークハウスです。

とべ動物園スネークハウス

すごい貫禄、存在感のマレーカビアル

スネークハウスの建物に入ると、最初に目に入ってくるのがカメの展示。具体的には、通路に沿って

  • マレーハコガメ
  • ジャワハコガメ
  • セマルハコガメ
  • インドホシガメ
  • エロンガータリクガメ
  • クサガメ
  • ニホンイシガメ
  • ミシシッピーアカミミガメ
  • ニホンスッポン(アルビノ)
  • マタマタ
  • アルダブラゾウガメ

といった順番で並んでいます。最後にアルダブラゾウガメを持ってくるあたり、徐々に盛り上げようとする狙いがあるのかもしれませんが、全体的に比較的地味目な種類が多い印象です。

ところが、通路を抜けて天井から天然光がはいる広いスペースに出た瞬間、見えてきたのがこちら。

とべ動物園スネークハウスのマレーガビアル

堂々たる大きさ、圧巻のマレーガビアルです。

とべ動物園のマレーガビアル

マレーガビアルは、元祖ともいえる草津熱帯圏札幌市円山動物園をはじめ、いくつかの場所でみることができますが、ワニとしては中型のイメージがあります。ところが、ここの個体はとにかく存在感があり、成熟したミシシッピワニやイリエワニのような貫禄があります。

すごい存在感のマレーガビアル

このマレーガビアル、存在感がトップレベルなら展示されるスペースも一等地。間違いなくスネークハウスの目玉といえるでしょう。

広場にならぶ大型爬虫類

マレーガビアルがいる天然光が入るスペースには、ほかにも大型の爬虫類が展示されています。

ケヅメリクガメやキアシガメには、タイル張りの平飼いスペースが用意され、外には屋外飼育場もありました。

中大型リクガメの平飼いスペース

1994年から飼育されているイリエワニ、1988年にとべ動物園に来たミシシッピーワニなど、長年飼育されている個体もちらほら見られます。

長年飼育されている個体も

この広場にはこのほかに、

  • ワニガメ
  • グリーンイグアナ
  • メガネカイマン

が展示されていました。

順路はカメ⇒ワニ(大型爬虫類)⇒ヘビ

さて、ここまで見てきて、「スネークハウス」なのにヘビが全く出てこないな、と思われた方もいるかもしれません。とべ動物園スネークハウスの順路は概ねカメ⇒ワニ(大型爬虫類)⇒ヘビとなっていて、ヘビが登場するのは最後です。

ヘビの展示エリアは、天然光が入る広い空間を出た先にある室内スペース。1987年生まれのアミメニシキヘビがいたり、マウスの給餌シーンに理解を求める張り紙があったりと、まさに「スネークハウス」といった雰囲気が漂います。

ここで目を引いたのは、アルビノのビルマニシキヘビ。逃げ出したペットを、新居浜署の署員4人がさすまたで捕獲したとのことで、その時の新聞記事と一緒に展示されていました。もともとペットらしい、きれいな個体です。

とべ動物園スネークハウスアルビノビルマニシキヘビ

ここには、このほかに、

  • シマヘビ
  • ジムグリ
  • ニホンヒキガエル
  • トノサマガエル
  • アオダイショウ
  • ボールニシキヘビ
  • ホウシャガメ
  • キアシガメ
  • ヒイロニシキヘビ

がいました。

散水設備でリフレッシュするカメたち

さて、最初に「地味」といってしまったカメのコーナーですが、派手な種類や珍種はいないものの、丁寧な飼育が参考になる展示です。

とべ動物園のマタマタ
飼い込まれた、大型の個体

印象に残ったのは、各飼育スペースに直結している送水設備。蛇口がついているとか、ホースを使って水を流しているといったレベルでなく、飼育スペースに直接水を潤沢に供給できる仕様です。散水時は、水しぶきでガラスに水滴がつくレベル。

湿度調整が難しいというインドホシガメの展示スペースでは、散水後にカメたちが生き生きと動き回る姿が見られました。この年は繁殖に成功したようで、環境の良さは生体の折り紙付きです。

とべ動物園スネークハウス散水後のインドホシガメ

同じく水を撒かれた後のアルダブラゾウガメも、気持ち良さそうな感じで過ごしています。

散水後のアルダブラゾウガメ

とべ動物園スネークハウスは、ヘビ以外にも、長年飼育する大型爬虫類がいたり、渋いラインナップのカメ達が丁寧に飼育されていたりと、見どころ充分な内容。松山に行ったら、必ず立ち寄りたい場所です。