生息環境を細やかに再現、札幌市円山動物園爬虫類両生類館

北海道・札幌の円山動物園には、爬虫類両生類を専門に展示するは虫類・両生類館があります。 世界中の稀少種が多く展示され、生体の種類数も多い専門施設ですのでご紹介します。

参考URL:札幌市円山動物園

円山動物園正門入口

円山動物園爬虫類両生類館への行き方、アクセス

円山動物園は、札幌駅から地下鉄で乗り換え一回(札幌駅から南北線真駒内方面行きに乗車、大通駅で東西線宮の沢方面行きに乗り換え)、15分ほどで着く円山公園駅の近くにあります。円山公園駅から歩くと15分、バス(動物園線)だと5~10分くらいです。

動物園自体はホッキョクグマの展示施設があったり、サル山があったりと普通の動物園なのですが、園内に爬虫類・両生類館という建物があり、ここで爬虫類両生類の展示をしています。

円山動物園爬虫類両生類館

入口はいっていきなりのバックヤード展示では、ヤドクガエルがうじゃうじゃ

は虫類両生類館に入ると、まず目に入ってくるのが、なんとバックヤード。ガラス越しにバックヤードの飼育ケージを見ることが出来ます。

バックヤード

この日、ガラス越しの展示で目を引いたのが、ヤドクガエルの飼育ケージ。

円山動物園ではカエルツボカビ対策でヤドクガエルの繁殖に取り組み、これまで他の動物園へ生体を200匹近くも供給しているとのこと。ケージをのぞき込むと、ヤドクガエルがうじゃうじゃいました。ヤドクガエル自体は、他の動物園や水族館でも比較的よく見かけますが、繁殖の結果としてこれだけ多くの生体がいる場所は、あまりありません。このような実績をあげた飼育環境、飼育者にとってはすごく参考になるのではないでしょうか。

ヤドクガエルがうじゃうじゃ

バックヤードの中のようす

大型種展示ホールのワニ、ゾウガメ、大型イグアナ

順路に沿って進むと、大型種を展示するホールへ。このホールには、アルダブラゾウガメ、ガビアルモドキ(別名マレーガビアル)、ヨウスコウワニ、サイイグアナが展示されていました。

ワニの展示は、一般的に上から眺める形式が多いですが、ここは水中での様子を横から見ることができる水槽での展示。マレーガビアルの水槽のうち一つは水深がかなりあり、ワニが水面を漂っている時の目線が、眺める人間の目線に近い感じです。

大型種展示ホールのマレーガビアル

マレーガビアルの水槽は、ガラス面が横に長い造りなので、水面に浮かんでいるところ、底に沈んでいるところ、立っているところなど、水中での様子がよく見えます。立って水面に顔を出すマレーガビアル

ヨウスコウワニの展示スペースは、水中の姿を眺められる正面・側面のガラス面のほかに、陸場を別の方向から眺められるような窓がついていました。

水中のヨウスコウワニ

陸に上がるヨウスコウワニ

サイイグアナの展示は、ホットスポットの作り方が工夫されているなと思いました。生体がホットスポットに来ることを利用して、展示スペースの中の生体の位置を上手くコントロールしているように感じます。レイアウト的に映える、見やすい位置に生体がいるんですよね。

ホットスポットの下のサイイグアナ

温湿度管理、餌の養殖から繁殖まで、施設の頭脳部分を担うバックヤード

大型種の展示スペースを抜けると、入り口入ったところにあったバックヤードの裏側へ出ます。

裏側もガラス張りになっていて、同じくケージで飼育される生体を見ることが出来ます。このバックヤード、円山動物園ではセンターラボと呼ばれていて、飼育・繁殖のほか、

・2階では、飼育ケージの中で使われている植物の栽培

・地下1階では、エサのコオロギの養殖

なども行っているとのこと。各飼育スペースの温度・湿度や光もここでコントロールしているようです。

センターラボ

この日バックヤードでガラス越しに展示されていたのは、入り口側のものも含め、スペングラーヤマガメ、ミナミインドハコスッポン、ムオヒラセガメ、カンボジアモエギハコガメ、アメリカドクトカゲなど。

ヤマガメ類の飼育ケージは、プラスチックケースにヤシガラ・ピートモス的な床材が敷かれていて、カメが入れる大きさの浅い水入れが置いてある造りが多かったです。

ムオヒラセガメ

バックヤードの脇にはちょっとした休憩スペースがあり、机の上には日本に生息するヘビの紹介などの各種閲覧用資料が置かれていました。

爬虫類両生類館におけるフタホシコオロギ養殖についての資料もあり、簡単ながらとても興味深い内容。エサは固形飼料と白菜、温度は28度前後・湿度は50%以上に設定し、衣装ケース30箱で日本の人口と同じくらい(?)の数を管理しているそうです。

休憩スペース

閲覧用資料

圧巻の小中型展示ゾーン

円山動物園は、爬虫類両生類の飼育において質・量ともに国内有数の施設です。なかでも、中小型展示ゾーンには沢山の種類がいました。ここでは、この日に展示されていた種類(後述の日本産種展示ゾーン除く)をカテゴリーごとに列挙したあと、印象にのこったものをいくつかとり上げたいと思います。

円山動物園のヘビ

・オオアナコンダ
・ジャングルカーペットパイソン
・ミドリニシキヘビ
・ビルマニシキヘビ
・マレーベニナメラ

マレーベニナメラは、マレー半島やインドネシアの標高1000~2000メートルの高山帯の森林に棲むヘビとのこと。ちいさな個体がココナッツのシェルターから顔を出している姿を見ることができました。

マレーベニナメラ

マレーベニナメラのレイアウト

円山動物園のカメ

・モエギハコガメ
・ホウシャガメ
・インドセタカガメ(テクタセタカガメ)
・コウヒロナガクビガメ

インドセタカガメは、渓流や池、人工的水域に棲むカメだそうです。飼育ケージは、深さのある広めの水場と陸地部分を組み合わせたレイアウト。水場から陸地へ流木を配し、登りやすくしています。陸場の内側は、砂場となっていました。

インドセタカガメ

インドセタカガメの飼育スペース

円山動物園のトカゲ

・ミズオオトカゲ
・オマキトカゲ
・トッケイヤモリ
・エボシカメレオン
・アメリカドクトカゲ
・トゲチャクワラ
・アオホソオオトカゲ
・ヒョウモントカゲモドキ
・チュウゴクワニトカゲ
・マツカサトカゲ
・アルマジロトカゲ

オマキトカゲは、パプアニューギニア東のソロモン諸島の固有種で、森林にすむ完全樹上性のトカゲ。木にしがみつく指と鉤爪、巻き付くための長い尾が発達しています。ケージの中では、上の方で寝ていました。

このオマキトカゲ、草食性ですが、同じくソロモン諸島原産の観葉植物ポトスを食べるそうです。ポトスは有毒ですが、オマキトカゲはポトスを無毒化できるんですね。オマキトカゲ

オマキトカゲの飼育レイアウト

カメレオンのケージは、高さのある、細めの木の枝や植物を配した立体的なレイアウト。上部には、光を集中してあてているホットスポット的な部分を設けています。水場は、地面に小さい丼くらいのプラスチックケースがひとつ。

館内には、爬虫類両生類の飼育下での寿命についての説明文があったのですが、カメレオンは説明文に記載されていた種類で最短で、0.5から5年とのことでした。

エボシカメレオンの飼育レイアウト

マツカサトカゲはオーストラリアの固有種で、森林や草原に棲み、昆虫や動物の死骸や果実、花などを食べる雑食性の種類だそうです。見た目がツチノコに似ていますね。こういうのを実際にみると、ツチノコみたいな形の動物がいてもおかしくないと思ってしまいます。

マツカサトカゲ

円山動物園のカエル

・コケガエル(ベトナムコケガエル)
・ミツヅノコノハガエル
・マダガスカルキンイロガエル(キンイロアデガエル)
・マダラヤドクガエル
・コバルトヤドクガエル
・キオビヤドクガエル

円山動物園のイモリ、サンショウウオ(有尾類)

・オビタイガーサラマンダー
・ミツユビアンフューマ
・コイチョウイボイモリ

コイチョウイボイモリは、奄美大島で見たイボイモリと雰囲気が似ていると思いました。イモリのなかでは、乾いたところを好む感じがしますね。

コイチョウイボイモリ

最後は、北海道の爬虫類両生類を紹介

爬虫類館の最後のエリアは、日本の爬虫類両生類の展示が続きます。展示されていたのは、ヒガシニホントカゲ、ニホンカナヘビ、二ホンアマガエル、エゾアカガエル、エゾサンショウウオ、シマヘビ、アオダイショウ、シロマダラ、ジムグリ、ニホンマムシ。

エゾアカガエルは、地元産の種類だけあって大きなスペースをとって展示されていました。円山動物園は、前述したサイイグアナのほか、アオホソオオトカゲのケージなどでもホットスポットをうまく使って見栄えのいい位置に生体を誘導しています。エゾアカガエルにそういった技が通用するのかはわかりませんが、この日は2匹が真ん中のとてもいい位置にいました。

エゾアカガエルのレイアウト

エゾアカガエル

北海道全域に分布する固有種、エゾサンショウウオも飼育。北海道には、エゾサンショウウオとキタサンショウウオの2種類がいるそうです。キタサンショウウオはいませんでしたが、ここで見られないとすると、飼育している施設がちょっと思いつきません。

エゾサンショウウオ

エゾサンショウウオの飼育スペース

シマヘビは、ふつうのシマヘビのほか、カラスヘビとよばれる黒化型の個体も展示。

カラスヘビ

円山動物園は虫類両生類館の感想まとめ

円山動物園は、爬虫類両生類の飼育において国内トップレベルの施設。光や温湿度等の管理に細かい注意を払うなど、その飼育環境は非常に参考になります。繁殖実績も多数あり、繁殖時の条件なども随所で解説。見てまわりながら、貴重な情報を得ることが出来ます。北海道の地にある施設ですが、日本全国から訪ねていく価値があります。

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