岐阜県の、丘陵と河川近くの田舎町でのこと。池をのぞいていると、ヘビが泳いでくるのが見えました。

ヘビは、泳いだ後、縁の岩にあがって小休止。

しばらくすると、陸に上がってきました。


近くによってみると、こんな感じ。


初見の印象はヤマカガシだっだのですが、赤みがなく、アオダイショウにも見えます。
大谷勉著「日本の爬虫類・両生類飼育図鑑」(P45)によれば、ヤマカガシは、
- 体の背面は褐色の地に黒色の斑紋が並び、その間に赤色や黄色の色彩が混じるが、地域によって色彩変異が大きい。体鱗には強いキールがあり、触るとざらつく感触。胴中央部の 体鱗列数は19列。
とのこと。
「アオダイショウのように見える写真」では、角度と濡れている関係で黒色の斑紋やざらつく触感などがわかりにくいですが、別の場面をみると、やはりヤマカガシです。

房総半島で見た個体の様に赤色の色彩が混じっているとわかりやすいのですが・・・

同書によれば、ヤマカガシの生態は、
- 低地から山地に広く生息。水辺で最も多く見られ、泳ぎもうまい。昼行性で河川や湿地、田んぼなどで生活しており、人目に付きやすい種だ。餌を求めて水によく入り、時には潜水も行い、カエル類のほか、オタマジャクシやドジョウなどの小魚を捕食する。
とのこと。
記載の通り、昼間の人目に付きやすい時間帯に、うまい泳ぎを見せてくれました。
池の付近をあるくと、乾いた枯れ葉が動く音がします。ツチガエルです。


もう一カ所にもツチガエル。こちらも乾いた場所にいました。

再び大谷勉著「日本の爬虫類・両生類飼育図鑑」(P184)によれば、ツチガエルは、
- 平地から低山地の比較的開け、密集しない下草で囲まれた水田や湿地、池、沼、小川などの水辺に多い。水辺からは遠く離れることはない。生息地の水底の泥中で冬眠する。
- 徘徊性の無脊椎動物や昆虫の幼虫を捕食しているが、特にアリを食べる。飼育下では、餌用昆虫を使用できるが、餌は小さめのものを。ただアリを与えても食べないことが多い。
とされています。
たしかにここは、「平地から低山地の比較的開け、密集しない下草で囲まれた池」の、水辺の遠くから離れていない場所そのもの。

ヤマカガシは、カエル食のヘビです。少し歩いただけでもカエルが動くこの池の周辺には、生きていけるだけのエサがあるのかもしれません。