西表島のホオグロヤモリ、サキシマヌマガエル、サキシマハブ

西表島は、沖縄本島と台湾の間に位置する亜熱帯の島。山や川に恵まれた起伏のある地形ゆえ、畜産やサトウキビなどの開発利用があまり進まず、豊かな自然が残されています。

面積はかなり広いものの、飛行機の便も島を一周する道路もなし。ジャングルのような森の中にイリオモテヤマネコやカンムリワシが生息するなど、生き物の密度が濃い場所です。

西表島

爬虫類両生類も、天然記念物のヤエヤマセマルハコガメやキシノウエトカゲを含め多数の種類が生息。南方はもともと爬虫類両生類が多いですが、広いエリアで自然が残されている西表島は別格です。そんな西表島で、見かけた爬虫類両生類・見ることが出来なかった爬虫類両生類をご紹介します。

西表島でみた爬虫類両生類①ホオグロヤモリ

西表島で一番最初に見たのは、(恐らく)ホオグロヤモリ。いわゆるヤモリで、姿かたちは東京でもよく見かけるニホンヤモリとそれほど違いません。ただ、鳴き声が大きいことが大きな違い。夜中、キョッ、キョッキョッキョッキョッ、と鳴いていました。小さな体からどうしてあんなに大きな声が出せるのか、不思議です。

西表島のホオグロヤモリ

西表島に近い黒島の黒島研究所で展示されていたホオグロヤモリのキャプションには、「~略~ヤモリはとても狭いところに入り込むため、クーラーなどの家電がショートして壊れてしまうからです。このため沖縄の家電製品には、ヤモリを防止する工夫がされているものがあります。」とありました。それぐらい、たくさんいる感じです。ヤモリを防止する工夫ってどんなものなのか、見てみたいですね。

西表島でみた爬虫類両生類②サキシマヌマガエル

夜、海岸に行った時、砂浜と通常の陸地部分の間に残された防風林・防砂林的なエリアでサキシマヌマガエル(おそらく)を見かけました。ライトを当てても、その場から動かず。すぐ近くにはヤシガニもいるような場所でした。

西表島のサキシマヌマガエル

奄美大島の海岸でリュウキュウカジカガエルを見た時にも思ったのですが、カエルって結構海岸近くにいるんですね。浸透圧とかの関係で、塩気が強い場所は苦手そうな気もするのですが・・・と思って「ニューワイド 学研の図鑑 爬虫類・両生類」をみると、サキシマヌマガエルは「海岸近くから山地まで広く生息します。生息数が多く、ほかの動物の食物として重要です。」とありました。リュウキュウカジカガエルのところには、「海岸から山地の森林、人家周辺までさまざまな場所にすんでいます。」とあり、両方とも海岸を生息範囲とする種類のようです。

西表島でみた爬虫類両生類③サキシマハブ

最後は、サキシマハブ。木立ちのなかの、昔ながらのの舗装されてない通り道を歩いていた時、何かがいそうな気がしてふと排水溝を覗き込んだら、鎮座していました。毒を持っていることもあり、少し緊張感が走ります。恐る恐るカメラを近づけて撮ったのがこの1枚。

サキシマハブがいた排水溝
サキシマハブがいた排水溝②
排水溝のサキシマハブ
排水溝のサキシマハブ

日本の爬虫類両生類飼育図鑑によると、「体色・模様は非常に変異する。」とのこと。外見は様々のようです。サキシマハブ、としていますが、いた場所からの判断です。

西表島で見れなかった爬虫類両生類

道路を自転車で走っていた時、道路脇の草むらにささっと隠れた金色のトカゲが一瞬目に入りました。大きさはそれほどでもなかったのでよくわかりませんが、もしかしたらキシノウエトカゲだったかもしれません。しばらく付近で粘ってももう出てきませんでしたが。

ヤエヤマセマルハコガメがよく現れるという場所にも行ってきました。そう簡単に見れるものではないとはいえ、現地では珍しいものでもないらしく、期待は大。こちらも時間をあけてしばらく粘りましたが(ベストな時間には行けませんでした)、残念ながら出会うことは出来ませんでした。

ヤエヤマセマルハコガメがよくいる場所

西表島は、石垣島から船で行くしかないアクセスしづらい島。石垣島より南にあってもともと爬虫類両生類が多い気候風土な上に、地形の関係で未開発の場所が多く、ある意味爬虫類両生類の宝庫のような場所です。普通に通り過ぎるだけでも3種類の両爬に会えた土地柄、次はゆっくり滞在してじっくり楽しみたい場所だと思いました。

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