ミヤコヒキガエルの包接・子ガエル・おたまじゃくしin宮古島

都市生活者にもなじみの深い野生の爬虫類両生類といえば、ヒキガエル。何かと見かける機会も多いと思います。

宮古島でみたミヤコヒキガエル

このヒキガエル、実は日本に4種類(※)いるのをご存じでしょうか。

都市部でも普通に見かけるいわゆるガマガエルは、

①近畿以北にすむアズマヒキガエル

②近畿以南にすむニホンヒキガエル

夏場の都内でみかけたアズマヒキガエル

です。このほかに、

③本州中央部の山地でみられるナガレヒキガエル

④宮古島のミヤコヒキガエル

というヒキガエルがいます。今回は、この日本産マイナーヒキガエルであるミヤコヒキガエルをご紹介します。

※石垣島などに移入している特定外来種オオヒキガエルを除く

ミヤコヒキガエルの見分け方

さて、このミヤコヒキガエル、要はガマガエルの一種なんですが、ほかの3種類とは割と見分けやすい姿をしています。

あわしまマリンパークのミヤコヒキガエル
  • 他に比べてやや小柄
  • どことなくふっくらしている
  • 明るいオレンジ色の模様をもつ

名古屋市東山動物園あわしまマリンパークカエル館では、ミヤコヒキガエルを見ることができます。私が訪問した時は他のヒキガエルと並べて展示されていましたが、簡単にミヤコヒキガエルだとわかりました。

なお、ナガレヒキガエルも割と見分けがつきやすく、手が長く、姿勢が良いのか特徴です。

アクアトト・ぎふのナガレヒキガエル

宮古島にミヤコヒキガエルを見に行く

ミヤコヒキガエルの生息地は、開発やリゾート化が進む宮古島。ヒキガエル類は両生類の中では比較的開発に強い種類ですが、生息地で野生のミヤコヒキガエルを見かけることはできるのでしょうか。

宮古島は注目のリゾート地でもある

サトウキビ畑の間の道を走っていると、車の下敷きになったぺちゃんこのミヤコヒキガエルを見かけます。その数からすると、一定の生息数はあるもよう。ただ、降りて付近を探してみても、なかなか見つかりません。時間帯(夜にうごく)や状況(雨上がりによく出る)を選ばないと、そうそう出くわすものでもなさそうです。

サトウキビ畑のなかの宮古島の道路

たまたま通りかかった場所で水たまりを見つけたので、覗き込んでみました。すると、オタマジャクシがたくさん泳いでいるのが見えます。なかには、後ろ足が生えているものもいます。

ミヤコヒキガエルのオタマジャクシ

この形はヒキガエルだな、と思い、上陸したものがいないか付近を探してみます。踏みつぶさないように慎重に歩いていくと、ちいさな子ガエルが何匹か見つかりました。

一斉に孵化し、一斉に上陸する東京のアズマヒキガエルと違うな、と思いながら水たまりにもどると、なんと包接するミヤコヒキガエルのペアが・・・。

ミヤコヒキガエルの包接

一カ所に、包接するペア、上陸した子ガエル、オタマジャクシがいるのは、新鮮な光景です。常夏(とまでは言わないが)の島ならではのことと感じました。

後日、大谷勉著「日本の爬虫類・両生類飼育図鑑」のミヤコヒキガエルのページを参照したところ、

・繁殖期は長く、9月~翌3月で、同じ繁殖場所で幼生の各段階が見られることも多い。

とありました。

ミヤコヒキガエルの飼育

ミヤコヒキガエルは、宮古島市自然環境保全条例で捕獲・採取・殺傷が禁止されていますので、宮古島で採集することはできません。

現在飼育されている個体は、飼育下繁殖個体もしくは大東島など本来の生息地でない地域への移入個体と思われます。こういった個体を入手した場合、飼育の機会があるかもしれません。

沖縄こどもの国(アークおきまる)での飼育環境をみると、通常のヒキガエルと同じような飼い方をしているように見えます。

沖縄こどもの国アークおきまるのミヤコヒキガエル
  • 床材は有機質の腐葉土。湿った部分と乾いた部分があった
  • シェルターとして、半分に割った植木鉢
  • 体が余裕をもってはいる大きさの水場(水入れ)

ただ、温度管理に関しては宮古島地方の気温を意識する必要があるでしょう。

ミヤコヒキガエルは、ふっくらした小さなヒキガエル。さいわいにも、本来の生息地・宮古島でその姿をみることができました。こういう生息環境は、しっかり守っていきたいですね。